23
9月

高齢者の介護で尊厳を大切にするためには

現在の日本では、介護業界の重要性が高まっています。それは、介護を行うスタッフの量という意味でも重要ですが、介護の質という意味を忘れることはできません。かつての介護では、介護を受ける人に対して非人間的な扱いをすることも間々ありました。しかし、そのような介護を受ける高齢者の尊厳を損なうような介護は、介護を受ける人に悪影響を与えます。介護を受けること自体が多大なストレスとなり、介護度を上げることになりかねません。そのため、尊厳を損なわない介護を行うことが必要となります。尊厳を損なわない介護に必要となることは、介護を受ける人が必要としているときに、その人の意志を尊重した介護を行うということです。

介護を受ける高齢者は、たとえ体が自由に動かなかったり、認知症を患っていても、何もできないわけではありません。何も出来ないと決めつけ、介護スタッフがなんでもやってしまうと高齢者の自尊心は傷つけられてしまいます。そのため、できることはできるだけ本人にしてもらい、その介助をすることが求められます。また、介護を行う際に声掛けをしっかり行うということも重要です。必要だと思ったからといって、何の説明もなしに介護をされていては、物の扱いと変わらないと感じる人もいます。何らかの介護を行う際には、体調を確認して、その介護を行ってもよいのかといった確認をひとつひとつとり、介護を受ける人の意志を確認することが求められます。

これらの行動は、尊厳ある介護の一例にすぎません。介護を受ける人がしてもらいたい介護をするということが重要です。

7
9月

効率化よりも大事なこと

介護職は、働くスタッフの心身ともに大変負担がかかる仕事と言えます。はじめはやる気があって乗り切れていくことでも長く続けていくことでマンネリ化してきてしまったり、効率の良さを求めてしまったりしがちです。画一的な処理をしたほうがスムーズに仕事が進むという事もあります。仕事としては効率化できることは良いことですが、あまりに効率を求めてしまうと高齢者の尊厳を踏みにじってしまう恐れもあります。

要介護者、と一括で捉えてしまいがちですが、一人一人の考え方、感じ方、症状は違います。それを考慮することなく、出来るだけ効率的に業務をこなしていくという事を続けてしまうと、一人一人が持っている尊厳といったものが無視されがちになるのです。身の回りのことは自分でしたい、と思っている高齢者がいたとしても、それを見守っている人員も時間の余裕もなくスタッフが介助をしてしまう事で、高齢者自身の思いを否定してしまうことになります。何か個別の希望があっても、余裕がないことでそれを聞き入れることすらしないという事も起こります。

尊厳を守っていくことによって、生きていく意味を見いだせるなどプラスに働くこともあります。排泄などもできるだけ自分で行う事で、運動機能の維持につながることもあるのです。こうしたプラスの意味もあるという事を意識して、出来るだけ尊厳を守っていく介護を目指すことが重要です。個人の努力だけではなく人員などに余裕を持てるような全体的な改革も必要と言えます。