しっかりとしたヒアリングで意思疎通を

思い通りにならない自身の身体に対する苛立ちを、上手く言葉にできないジレンマなど、介護が必要な方々は常に、強いストレスと向き合っています。また個人差こそありますが、自らの身の回りのことができず、第三者に入浴や排泄の世話になることに対する、強い羞恥心を抱いている点も見過ごせません。さらには外部の介護サービスのお世話になる現実を、自身が家族から邪魔者扱いされていると、被害者意識を募らせている可能性も無視できず、コミュニケーションに際しては、相手の心情に寄り添った心遣いが求められます。

とりわけ介護職に就いて日数が浅い方の場合、研修や実習を通じて学んだ、マニュアルに沿った対応を意識し過ぎた結果、尊厳への配慮が留守になる傾向が懸念されます。こうした悪意のない事務的な対応が結果的に相手の心を閉ざしてしまい、スムーズな介護に必要不可欠な、相互信頼関係の構築を妨げてしまいます。(信頼関係構築で気をつけたいポイントはコチラのページ参照)

ここでポイントとなるのが、相手が何を望んでいるのか、何が嫌なのかなどを、やさしい声かけでしっかりとヒアリングしてあげる傾聴と提案です。介護のお世話をしてくれる人が自分に寄り添ってくれると安心できれば、自ずと心を開いてくれます。どうしても嫌だと頑なに拒否する状況と遭遇した際には、代替案を相手が理解できるように、わかりやすく提案してあげるという方法もあるでしょう。自己判断が難しい場合には、上司や先輩に確認あるいは相談するのも手です。こうした細やかな配慮を重ねることが、スムーズな介護につながります。