現在の日本では、介護業界の重要性が高まっています。それは、介護を行うスタッフの量という意味でも重要ですが、介護の質という意味を忘れることはできません。かつての介護では、介護を受ける人に対して非人間的な扱いをすることも間々ありました。しかし、そのような介護を受ける高齢者の尊厳を損なうような介護は、介護を受ける人に悪影響を与えます。介護を受けること自体が多大なストレスとなり、介護度を上げることになりかねません。そのため、尊厳を損なわない介護を行うことが必要となります。尊厳を損なわない介護に必要となることは、介護を受ける人が必要としているときに、その人の意志を尊重した介護を行うということです。
介護を受ける高齢者は、たとえ体が自由に動かなかったり、認知症を患っていても、何もできないわけではありません。何も出来ないと決めつけ、介護スタッフがなんでもやってしまうと高齢者の自尊心は傷つけられてしまいます。そのため、できることはできるだけ本人にしてもらい、その介助をすることが求められます。また、介護を行う際に声掛けをしっかり行うということも重要です。必要だと思ったからといって、何の説明もなしに介護をされていては、物の扱いと変わらないと感じる人もいます。何らかの介護を行う際には、体調を確認して、その介護を行ってもよいのかといった確認をひとつひとつとり、介護を受ける人の意志を確認することが求められます。
これらの行動は、尊厳ある介護の一例にすぎません。介護を受ける人がしてもらいたい介護をするということが重要です。